支えられて、支えて。

支えられて、支えて。 支えられて、支えて。 支えられて、支えて。
「展示本部がすることって何なんですか?」この言葉を何度生徒から聞いたことだろうか。こう聞く度に、僕はどう返すべきか迷っていた。展示本部としての最後のOPENDAYを迎えるまでは。
二年前、中三の二学期に初めて体験した立教のOPENDAY。日本の文化祭とは違い、一週間丸々授業なしで当日のために準備を行う。クラスで協力しあい、一つの企画を作り上げていく作業はとても新鮮で充実していた。
その一週間を支える為に、何週間も前から準備を行うのが展示本部だった。クラス企画にはほとんど参加せずに、全てをOPENDAYに捧げる。そんな先輩たちに憧れて、高一の春に僕は展示本部に入った。いざ入ってみると、その仕事の多さに驚いた。各クラスの企画用原稿のチェック、申請物の確認、教室の机やイスの移動マニュアル作り、物の貸し出し…。細かいことまで数えあげるときりがない。そして、それでもこういった一つ一つの仕事がOPENDAYを支えていると思うと、無性に嬉しかった。全てが終わった日には、今までにない達成感を感じた。
あれから一年が経った。三人いた同学年の展示本部員は、各々の事情で辞めていき、僕は一人となった。お世話になった先輩達ももういない。一人でも大丈夫だろうなんて楽観的に考えていたけれど、現実は甘くなかった。何か問題にぶつかった時、周りに相談できなかった。まだ何も分からない高一にも安易に相談できない。次から次へと仕事が迫ってくる。本当に不安な毎日だった。
夜眠る時、朝が来てほしくないと考えた日もあった。でもそんな時に、高一の後輩が仕事を頑張ってくれて、友達が励ましてくれて、立ち直ることができた。本当は自分が支えなくちゃいけないのに、気づけば周りの皆が自分を支えてくれていた。そのおかげで僕はなんとか展示本部の仕事を全うできた。全ての仕事が終わった今、去年とは違う気持を僕は味わっている。去年は感じることのなかった疲労感はもちろんだが、それ以上に成功して良かったという喜びと安心が、自分を支えてくえた人達への感謝の気持が、胸の中一杯に詰まっていた。
この二年間、僕は色んな人に支えられることで展示本部として活動できた。特にこの一年、そのことを本当に痛感した。目指し憧れてきた先輩達は越せなかったかもしれないけれど、誰かに支えられることで僕は僕なりに学校を支えることができたと思う。だから僕は今、堂々とこう言いたい。自分たちを支えている人達をOPENDAYを通して一生懸命に支える。それが展示本部なのだと。
(高等部2年生 男子)