ブルーベルの森。「鮮やかに存在する紫は異端ではあるが、それが逆に美しく映る。」

ブルーベルの森。「鮮やかに存在する紫は異端ではあるが、それが逆に美しく映る。」 ブルーベルの森。「鮮やかに存在する紫は異端ではあるが、それが逆に美しく映る。」

今年で何回目になるだろうか?

ふと思って上を見上げると、その緑と差し込む光が眩しすぎて、目を細めた。

指折り数えるほど何度も行ったことのあるブルーベルは今年もよく咲いていた。

立教の森の辺り一面に咲くブルーベルは小さな紫色の花ではあるが、集まると見事な紫色の絨毯が敷き詰められているように見える。そんなものが見られるこの季節に合わせたかのように、当日は雲一つ無い青空だった。

空気が美味しく感じられ、日々溜めたストレスもすぅっと消えていく。日を浴び、辺りをよく見渡して見れば、そこには神秘が備わっていた。

青い空、茂る草木の間から差し込む光。その中に鮮やかに存在する紫は異端ではあるが、それが逆に美しく映る。

今回はこの背景に鹿を入れることができた。すぐ目の前で清清しく優雅に走っていくその様は、その背景とマッチングしすぎて、思わず溜息を漏らしてしまうほどであり、写真でもビデオでもその先に残していけないのが惜しいと思ってしまうほどであった。

一年に一回くらいは、こんな散歩もいいかもしれない。そうして帰ってきた時には前よりもいっそう軽い気持ちになっていたのだった。

 

(高等部2 女子生徒)