立教英国学院

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立教生が綴る英国寮生活

ここでしか味わえないもの



 煙が立ち込める舞台上で、赤い旗が大きく振られ揺れていた。
 私が観劇した「レ・ミゼラブル」は、19世紀初頭のフランスを舞台としている。民衆たちは、命をかけて「自由」を追求し闘った。私は革命軍が士気を高め歌っている中、揺れている大きな大きなあの赤い旗に、彼らの強い「自由」への想いを見た。

 帰りのコーチの中で、ふと「自由」について考えた。現代を生きる私も、時に自由を求めている。それは彼らと同様に規則や自分を取り巻く環境から解放されたいという気持ちから生じている。しかし現代社会では、個人が認められ人権が保障されている。19世紀初頭のフランスではなかったものが、慣習や法などによって承認された上で暮らしている。これは自由の身だと言えるのではないか。また、自由の中で自由を求める私は、どんな社会を望むのだろうか。こうして改めて考えてみると、そこには秩序が存在しえないと予想できる。そうなれば社会は社会でなくなる。そうなる前に、私は自由への追求に底を作り、現状を大切にしようという姿勢を持つべきだと考える。

 舞台上のあの場だけは、19世紀のフランスであった。当時の民衆たちの魂が役者たちによって受け継がれ、見事に生かされていたのだ。民衆たちの自由への追及が、現代社会を形成する一つの要因となり、こうして未来に生きている私や多くの人々に、自由について問うきっかけをくれたのだろう。

 私は「レ・ミゼラブル」に「生きた歴史」を見た。最後の合唱後、思わず立ち上がり拍手をし続けた。あの劇場の一体感は忘れられない。そこには、人種、性別、年齢なんて全く関係なかった。みなそれぞれ胸を熱くしていたにちがいない。
 高校生というこの時期に、外国でこのような経験ができたのは、立教英国学院に在籍しているからだ。この学校では、寮生活とはいえ、日本では味わえないような経験がいたるところにあるのだと、今回のアウティングを通して強く実感できた。私は、約二ヵ月後の終業式まで、もっともっとここでしかできないことを経験しようと思った。

(高等部3年生 女子)

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