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立教生が綴る英国寮生活

終わりよければ



 オープンデイのあった2015年11月1日は、とても短い一日だった。クラス企画やフリープロジェクトでテーマを決めてからの約4カ月が、すべてこの一日のためのものだったと思うと、目標を達成して嬉しいような、終わってしまって寂しいような、そんな気持ちの自分がいる。

 自分が選んだフリープロジェクトはダンス企画だった。とは言っても、今まで生きてきた中で、まともに踊ったこともなければ、自らすすんでステージに立ったこともなかった。ただ、今までにないことをしたいという一心だった。本格的な練習は9月の中旬からはじまった。普段の生活ではしない動きを組み合わせて、しかも曲にのせてやるなんてことは、素人の自分にとっては何もかもがハードで、かつ新鮮だった。うまくいかないときもあった、というより、うまくいかないことがほとんどだった。それでも、時々うまくいくこともあったから、辞めたいとは一度も考えなかった。ごくまれにある自分にとっての「成功」が何よりも嬉しくて、ダンス企画自体が学校生活での楽しみの一つとなっていた。
 
 そして本番、ステージに立った。とにかく楽しんだのは覚えている。「悔いのないように全力で踊ってこい」「俺を泣かせてみろ」と言ったダンス歴十数年の友人も、自分の中では大きな支えとなった。本番は大成功、ダンス企画の仲間たち全員が悔いなく終わることができたように思えた。最後のエンディングで幕が閉まるとき、素直にこんな時間がもっと続けばいいのに、と思うことができた。

 クラス企画のテーマは、とても重く、大きなものだった。「原爆」である。今回自分のいる高等部2年2組は、第二次世界大戦で投下された原爆の中でも、広島で起こった出来事について取り上げた。オープンデイの前の1週間は準備期間とされていて、授業を一切行わずに作業をするのだが、自分たちのテーマには、多くのリアルな背景画と模型が求められ、当日まで準備は終わらず、オープンデイ開始直前でようやく仕上がった。準備期間中の作業は予想以上にこたえた。クラスメイト全員がそうだったと思う。自分は背景班に所属していたのだが、背景画の枚数がとても多く、それでいて細かく描かねばならなかったために、下書き・色塗り・設置のすべての作業が大変だった。設営が終わっていざはじまってみると、来場者がどのような反応をしてくれるのか、期待とともに心配でもあった。人の命がとても深く関わっているこのテーマで、本当に人の心を打つものが作れたのかどうか。他のクラスがそろってアミューズメント系の展示をしている中、自分たちのテーマは人々に受け入れてもらえるのか。そんなことを考えた。

 閉会式では、背景や模型など様々な部門で1位から3位までが表彰された。そこで、自分たちは、なんと8つの部門で表彰され、そのうち6つが1位だった。一日中作業で心身ともに疲労したことを思い出して感動した、苦労して努力したことが報われるのはこんなにも嬉しいのだと実感した。

 フリープロジェクトとクラス企画に共通して言えることは、本番までの道のりが険しいほど終えた時の達成感と喜びが大きいということである。だからこそオープンデイは、最後にすべてを振り返ったとき、それまでの良いこと悪いことのどちらも良い思い出としたものの勝利だと思う。そういう意味でも、過酷な準備期間を乗り越えて最終的に表彰台で笑うことのできた自分たちのクラスと、心から笑顔で盛り上げたダンス企画は、勝利を勝ち取ったといえるのではないだろうか。

 今、教室の最前列に座っている。ここから、自分たちの勝ち取った8つの賞状がホワイトボードの上に飾られてあるのがよく見える。これから2学期の期末試験を迎えるが、ホワイトボードの上を見る度に、あの時の苦労に比べればまだ楽な方だ、なんてことを思いつつ勉強に乗り出すことができる。

(高等部2年 男子)
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