最後のアウティング

最後のアウティング 最後のアウティング
ついに最後となったアウティング。どこに何があるのか全く分からなくて、集合場所から百メートル程の距離しか動かなかった中学3年のときのアウティング。それに比べて、紅茶はここ、服はあっち、ご飯はここが美味しくて、お土産はそこ、とすっかり慣れきった高校3年のアウティング。もう二度とここには来ない、そう思うと、ロンドンの街並みが不思議と印象的に心に残った。
毎年、先輩たちがロンドン・アイに乗って、オペラ座の怪人を観た、と聞くと、卒業するのだな、と思った。けれど自分が実際そうなってみても、卒業する実感は少しも湧かない。ロンドン・アイに乗っている時も、皆の赤ネクタイを見て、本当に最後なのだ、とようやく少し感じられただけだった。
立教に来て、一番何よりも良かったこと。それは、立教生に出会えたこと。これまで育ってきた環境が一人一人違って、考え方が違う。価値観が違う。自分と違う色々な世界を見せてもらった。しかし、こんなにも皆違うのに、必ず立教色に染まっていく。のびのびと自由で、内にある優しさ。立教生が必ず持っているもの。これからも、この立教の良さはずっと続くと思う。
あと2ヶ月の立教での生活。ここで学べるものを最大限に吸収して、胸をはってこれから進めるように、残りの日々を過ごしていこうと思う。
(高等部3年生 女子)