立教英国学院

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2016年度卒業終業礼拝 在英国日本国大使館総括公使・総領事 宇山秀樹様からの祝辞です。


卒業を迎えられた立教英国学院小学部・中学部・高等部の生徒の皆さん、本日はご卒業誠におめでとうございます。お子様の成長を見守ってこられ、この日を感慨深く迎えられた保護者の皆様、そして、子供達を卒業まで導いてこられた先生方、関係者の方々にも、心からお祝いを申し上げます。今日は、最近には珍しく、心地よく晴れた日となって、天気も皆さんの卒業を祝福しているかのようです。
私が立教英国学院にお邪魔するのは、昨年の卒業礼拝、秋のオープンデイに続いて三回目です。オープンデイを見に来て強く印象に残っているのは、展示でも模擬店でもパフォーマンスでも、生徒の皆さんがとても活き活きとして、チームワークで力を合わせて創造する喜びに満ちていたことです。緑豊かな広大なキャンパスと立派な設備、日本国内ではなかなかないこの素晴らしい環境の中で、大家族のような寮生活を送りつつ、厳しくものびのびとした教育を受けられるこの学校だからこそ、あのような素晴らしいイベントができるのだろうと思いました。皆さんは、ご家族と離れた全寮制の生活に慣れるまでは寂しい思いもし、いろいろ苦労があったと思いますが、この学校で得られたことは苦労をはるかに上回るものがあるのではないでしょうか。
 今日卒業していく皆さんには、この学校で学んだことを基礎としつつ、グローバルな視点を持って、国際社会の中で日本の未来を担っていく人材となることを期待しています。こんなことを言うと、荷が重いと思うかもしれませんが、皆さんは、そのための素養をここ立教英国学院で身につけてきたはずです。
さて、皆さんの将来に大いなる期待を込めつつ、今後頭の片隅に置いてもらいたいことを三つ申し上げたいと思います。
 一つは、日本人としてのアイデンティティと誇りを保ちながら、異なる文化や価値観を理解し尊重できる寛容な心を持ってほしいということです。このことは、最近世界各地で多様性や違いを否定しようとする独善的な風潮が広がる中で、特に重要です。皆さんは、ローカルコミュニティとの様々な交流、ホームステイ、短期交換留学、大学のワークショップへの参加等々、日本国内ではできない貴重な経験を沢山して、英国の文化や習慣、英国人の考え方、また、多様性を大切にする英国の懐の深さにも触れてきたことと思います。同時に、日本の優れた点、世界に誇れる美点を再発見することもあったのではないでしょうか。自分の母国、文化を理解した上で、多様性を受け入れられる国際人を目指していってほしいと思います。
 二つ目に、失敗を恐れずチャレンジする精神と、困難に立ち向かうたくましさを持ってほしいと思います。これから先の人生、楽しいことや成功ばかりではなく、壁にぶつかって悩むこと、辛いこともいろいろあるでしょうが、失敗は成功のもとと言いますし、努力して逆境を乗り越えれば、人間強くなるものです。私自身も、そういう経験があります。もう三十年も前の話ですが、外交官になることを目指していた私は、外交官試験に二年連続で落ちてしまったため、或る鉄鋼会社に入社し、北九州で働くことになりました。しかし、このまま長年の夢を諦めてしまっていいのだろうかと自問して、ある日、もう一度だけ試験に挑戦しよう、それでも失敗したら悔いなく会社で働き続けようと決めました。その後半年ほど、古くて汚い独身寮の六畳一間に同期入社の仲間と二人住まいというプライバシーゼロの生活、特に最初の一ヶ月半は新入社員の現場研修で、ヘルメットをかぶって工場で汗を流して夜勤するという、およそ勉強には適さない環境でしたが、そういう逆境にあったからこそ、かえって本気で勉強できた気がします。その結果、三度目の挑戦で外務省に合格しました。この経験が、その後の私にとって様々な困難に対処していける精神力・忍耐力を養ってくれたと思います。皆さんも、これから先どんな困難に直面しても、挫けずに努力し、チャレンジしていく、精神的な強さを是非身につけていってください。
三点目は、真実・事実を見抜くことのできる目を養ってほしいということです。インターネットやスマホはとても便利ですが、ネット空間には偽情報や根拠の不確かな情報も飛び交っています。「もう一つの事実(alternative facts)」などと称する嘘に踊らされる人々も増えています。民主主義が正しく機能し、基本的な自由や人権が守られる社会を保つためには、有権者がデマに踊らされず、事実に基づいて判断をすることが不可欠です。様々な情報が溢れる中、何が事実で何が嘘かを見抜く目を養うには、良い本を沢山読むこと、歴史を学ぶこと、また、定評のある新聞を複数読むことをお勧めします。もちろん、定評のある新聞であっても全ての報道が正しいとは限りません。一つの情報を鵜呑みにせず、常に自分の頭で考える力を鍛えてください。そして、疑問を持ったら、複数のソースで調べてみる習慣を身につけてください。皆さんはこれまで立教英国学院でいろいろなリサーチをしたり、思考力を鍛えられてきたと思いますので、そういった努力を継続することで、事実と虚偽を見分ける力を養っていくことを期待しています。
 最後に、皆さんが立教英国学院で学んだことを活かしながら、将来、日本と英国の架け橋として、また、世界に通用する国際人として活躍していくことを心からお祈りして、私からの祝辞とさせていただきます。

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